不同意わいせつ罪はどこから未遂になる?刑事事件に強い弁護士が解説

近年、「不同意わいせつ罪」や「不同意性交等罪」に関する相談が増えています。
とくに多いのが、

  • どこから“未遂”になるのか?
  • 体に触っていないのに、未遂で捕まることがあるの?
  • 未遂でも前科がつくの?

という不安です。

この記事では、刑事事件に強い弁護士が、未遂の基準・事例・刑罰・逮捕の流れ・弁護士に相談すべき理由 を丁寧に解説します。

不同意わいせつ罪・不同意性交等罪とは?

まず前提として、令和5年刑法改正により、従来の「強制わいせつ罪」「強制性交等罪」は
不同意わいせつ罪・不同意性交等罪 に変更されました。同法が施行された令和5年7月13日以降に発生した事件については、不同意わいせつ罪や不同意わいせつ未遂罪、不同意性交等罪や不同意性交等未遂罪として処罰されることになりました。

不同意わいせつ罪(刑法176条)とは

不同意わいせつ罪とは、相手の同意なく、わいせつな行為をした場合に成立する犯罪です。

同意のない状態でのわいせつな行為とは、

  • 相手の体を触る
  • キスをする
  • 胸部や下半身に触る
  • 抱きつく など

などの行為を指します。なお、相手が16歳未満(13歳以上16歳未満の場合は行為者が5歳以上年長)の場合は、同意の有無にかかわらず不同意わいせつ罪の処罰対象になります。

なお、不同意性交等罪(刑法177条)は、相手の同意なく性交、肛門性交、口腔性交を行うこと を処罰する犯罪です。

不同意わいせつ罪の法定刑は6月以上10年以下の拘禁刑ですが、不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑ですので、不同意性交等罪の方がより重い刑罰となります。

不同意わいせつ罪の「未遂」はどこから?

結論から言うと、“わいせつ行為に取りかかろうとする直接的な行為” があれば未遂になる
と考えられています。すなわち、未遂罪が成立するか否かは、犯罪行為の実行の着手があったか否かで判断されますが、不同意わいせつ罪における実行の着手とは、同意しない意思を形成、表明、または全うすることが困難な状態の原因となり得る行為が開始された時点です。

不同意わいせつ罪の未遂が成立する典型例

以下のような場合に、不同意わいせつ罪の未遂罪が成立する可能性があります。

  • 相手の胸に触れようとして腕を伸ばしたが、女性が気づいて逃げられた場合
  • 相手の下半身を触ろうとして女性の腕を強く引き寄せたが、振り払われて逃げられた場合
  • わいせつ目的でベッドに押し倒した場合
  • 相手に無理矢理キスしようとしたが、抵抗されたためにキスできず終わった場合

上記のように、行為の “具体的危険性” があれば未遂になるというのが裁判所の考えです。

一方で、

  • 「家に行こうよ」「キスしていい?」などの声かけ
  • LINE・SNSでの性的メッセージのみ

は準備行為にとどまり、不同意わいせつ未遂には通常なりません。

不同意性交等罪の未遂は?

では、不同意性交等未遂罪はどのような場合に成立するのでしょうか。

不同意性交等罪における実行の着手とは、同意しない意思を形成、表明、または全うすることが困難な状態の原因となり得る行為が開始された時点です。

例えば、性交等をする意思を持って以下のような行為をした場合には、不同意性交等未遂罪が成立する場合があります。

  • ズボンや下着を脱がせようとする
  • ベッドに押し倒す
  • 性器を露出して迫る

このように、性交等の準備段階の行為があれば、性交目的が明らかであるため、未遂として成立しやすくなります。

そして、不同意性交等罪は、陰茎が膣に一部でも挿入した時点で既遂となります。

未遂でも刑罰はある?

不同意わいせつ未遂罪も不同意性交等未遂罪も、ともに有罪となった場合には刑罰が科されます。基本的に、未遂罪であっても、刑法であらかじめ決められた法定刑は既遂の場合と同様です。

不同意わいせつ罪、不同意性交等罪の刑罰

不同意わいせつ罪の刑罰は、「6月以上10年以下の拘禁刑」とされています。

また、不同意性交等罪の刑罰は「5年以上20年以下の有期拘禁刑」とされています。

両罪ともに、未遂の場合も、法定刑は同じです。

もっとも、未遂の場合は、刑法43条により「その刑を減軽することができる」とされていますので、既遂の場合よりも刑が軽くなる可能性があります。

不同意わいせつ罪の未遂で逮捕されるケース

不同意わいせつ罪の未遂でも、警察が逃亡または罪証隠滅のおそれがあると判断した場合には、逮捕されることがあります。

「触っていないのに逮捕なんて…」と思う方も多いですが、実際に未遂でも逮捕されるケースは多数あります。

① 逮捕・取調べ

逮捕されると、警察署に連行され、取調べを受けます。

② 勾留(最大20日間)

不同意わいせつ未遂罪で逮捕された後、警察官は48時間以内に事件を検察官に送ります(送致)。

その後、検察官は事件が送致されてから24時間以内に勾留が必要か判断し、必要であると判断すれば、裁判官に勾留請求を行います。

勾留請求を受けた裁判官が勾留を認めれば、起訴されるまで10日間、勾留が延長された場合には20日間身体拘束されてしまいます。

すなわち、不同意わいせつ未遂罪で逮捕されてしまった場合、最大23日間、身柄を拘束される可能性があるのです。

③ 起訴・不起訴の判断

勾留満期日までに、検察官が、

  • 起訴(裁判にかける)
  • 不起訴(裁判にかけない)

のどちらにするかを判断します。

ここで起訴を勝ち取れるかどうかが、前科が付くかどうかの分かれ目です。

不同意わいせつ罪、不同意性交等未遂罪(未遂含む)で弁護士に依頼すべき理由

不同意わいせつの案件は、事実関係の整理・証拠評価・被害者との交渉 が非常に難しい事件です。そして、不同意わいせつ罪は未遂罪が成立して刑が減軽されるとしても、拘禁刑が予定されていますので、実刑判決になり刑務所に入る可能性は十分にあります。

不同意性交等未遂罪に問われた場合も同様です。

不同意わいせつ未遂罪や不同意性交等罪の被疑者となった場合には、すぐに弁護士に相談いただくことをおすすめします。

ここでは、弁護士に依頼するメリットを紹介します。

① 逮捕・勾留を回避できる可能性がある

弁護士は、身体拘束を避ける、もしくは早期に身柄を釈放するための弁護活動を行います。未遂であっても逮捕・勾留されることがあるため、スピードが非常に重要です。

② 被害者との示談交渉がスムーズ

不同意わいせつ未遂罪や不同意性交等未遂罪では、被害者との示談が非常に重要です。

示談とは、

  • 謝罪
  • 金銭的補償
  • 再発防止の約束

などを行い、被害者の処罰感情を和らげる手続きです。

性犯罪の被害者は、被害を受けたことで多大な精神的苦痛を負っており、加害者本人とは話をしたくない という方が多いです。したがって、被害者と示談をするためには、弁護士へ依頼することが必須になります。

被害者と示談が成立していることで、逮捕・起訴を避けることが出来る可能性が高まります。

③ 不利な誤解・主張を正しく訂正できる

被害者の認識が誤っている場合や、事実と違う供述がある場合は、

  • 当日の行動経路
  • LINE、SNS
  • 防犯カメラ
  • 第三者の証言

などを整理し、正しい事実を捜査機関に伝えることが可能です。

④ 会社への連絡・学校への連絡対応

突然逮捕されてしまった場合、会社や家族と連絡を取ることができなくなります。

弁護士に依頼することにより、本人に代わって、弁護士が会社や家族へ連絡することが可能です。

弁護士が間に入り、関係者へ適切に現在の状況を説明することで、混乱を最小限にとどめることが可能となり、社会生活へのダメージを最小限にできます。

不同意わいせつ罪、不同意性交等罪(未遂含む)で不安な方は、弁護士法人晴星法律事務所へご相談ください

不同意わいせつ罪や不同意性交等罪は、わずかな行動が未遂にあたる と判断されることがあります。

  • 触っていないのに被害届を出された
  • 逮捕されるか不安
  • 相手が誤解している
  • 身に覚えがない
  • 被害者と示談したい

このような場合、できるだけ早く刑事事件に強い弁護士へご相談ください。

弁護士法人晴星法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、ご本人だけでなく、ご家族の不安にも丁寧に寄り添いながら対応いたします。

「未遂かもしれない」「誤解されているかも」と思っただけでも、一度ご相談いただくことで、状況が大きく改善するケースもあります。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

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