未成年の子が不同意性交等の性犯罪を犯してしまったらどうする?刑事事件に強い弁護士が解説

1.はじめに

未成年の子が、不同意性交等の性犯罪をしたのではないかとして、警察から連絡を受け、取調べや逮捕の対象となった場合、保護者としては大きな衝撃を受けるでしょう。

「少年事件は大人の事件とどう違うのか」

「今後どのような流れになるのか」

「被害者の方への対応はどうすればよいのか」

と、不安や疑問を抱く方は少なくありません。

とくに性犯罪は、近年の法改正によってルールが大きく変わっており、以前の感覚のまま理解していると誤解が生じやすい分野です。

2023年7月13日に施行された改正刑法により、従来の強制性交等罪は「不同意性交等罪」に改められ、性交同意年齢も13歳から16歳へ引き上げられました。

 

また、未成年者の事件だからといって、必ず軽い扱いになるわけではありません。

少年事件では家庭裁判所での手続が中心になりますが、事件の内容や少年の年齢によっては、家庭裁判所から検察官へ送致され、刑事裁判に進む可能性もあります。

とくに、18歳・19歳の特定少年については、17歳以下とは異なる特例が定められています。

この記事では、不同意性交等罪の内容、成立要件、性交同意年齢の引上げ、少年による性犯罪の類型と特徴、少年事件における弁護士の役割、示談の重要性について、保護者の方向けにわかりやすく解説します。

 

2.不同意性交等罪とは

不同意性交等罪とは、暴行や脅迫、相手が眠っていること、アルコールや薬物の影響、立場上の力関係などにより、相手が性的行為を拒否することが難しい状態で性交等をした場合に成立する犯罪です。

現行刑法177条は、性交、肛門性交、口腔性交のほか、膣または肛門に身体の一部や物を挿入する行為を対象としています。

また、暴行や脅迫だけでなく、恐怖や驚愕、アルコールや薬物の影響、睡眠、虐待、立場上の関係などにより、相手が「同意しない意思を形成し、表明し、又は全うすることが困難な状態」にさせられ、またはそのような状態にあることに乗じて性交等をした場合も処罰対象となります。

この点で大切なのは、「暴力があったかどうか」だけで決まるわけではないということです。

本人が「相手も嫌がっていないと思った」と説明していても、相手の置かれていた状況やその場の力関係、心理状態などから、法的には同意が有効ではないと判断されることがあります。

保護者の立場としては、まず「交際していた」「相手が拒否していなかったと言っている」といった事情だけで安心せず、どのような状況で行為に至ったのかを丁寧に確認し、法的にどう評価される可能性があるのかを早期に弁護士へ相談することが重要です。

 

3.不同意性交等罪の成立要件

不同意性交等罪が成立するかどうかは、最終的には個別の事情を踏まえて判断されます。

もっとも、基本的には、性交等があったことに加え、相手が自由に同意できる状態ではなかったこと、または法律上当然に保護されるべき年齢条件に当たることが問題になります。

現行法では、相手が13歳未満である場合には、同意の有無にかかわらず不同意性交等罪の対象になりえます。

また、相手が13歳以上16歳未満で、行為者が5歳以上年長である場合にも、同意の有無にかかわらず処罰対象になります。

法務省の資料でも、この年齢要件は明確に説明されています。

さらに、相手が13歳以上16歳未満であっても、年齢差が5歳未満なら常に問題がないというわけではありません。

その場合でも、暴行・脅迫、支配関係、心理的圧力などにより、相手が自由な意思で同意できなかったと評価されれば、不同意性交等罪が成立する可能性があります。

 

4.性交同意年齢の引き上げ

2023年の法改正によって、性交同意年齢は13歳から16歳に引き上げられました。

法務省は、16歳未満の子どもに対する性的行為に関する新しいルールを広報資料で案内しています。

もっとも、「16歳未満との性的行為はすべて一律に犯罪になる」と単純化して理解するのは正確ではありません。

13歳以上16歳未満については、5歳以上の年齢差がある場合が明確な処罰対象とされており、そこに当たらなくても、別途、不同意の要件を満たすかどうかが問題になります。

この法改正により、保護者としては「未成年同士だから大丈夫」「交際していたから問題にならない」といった従来の感覚で考えないことが重要になっています。年齢、年齢差、交際の経緯、その場のやり取りなどを個別に確認しなければ、正しい見通しは立てられません。

 

5.少年による性犯罪の類型と特徴

少年による性犯罪といっても、その内容はさまざまです。

たとえば、交際中の相手との性的行為が問題になるケース、SNSなどで知り合った相手とのトラブル、年下の相手に対する行為、複数人が関わるケースなどがあります。

実際には、本人が軽く考えていた行為が、重大な性犯罪として扱われることもあります。これは、現行法が相手の自由な同意の有無や年齢要件を重視しているためです。

また、少年事件では、単に行為の有無だけでなく、少年の反省状況、家庭環境、学校生活、交友関係、保護者の監督状況、再非行のおそれなども重視されます。

裁判所は、少年審判について、非行の有無を確認したうえで、少年の抱える問題性に応じて再非行防止のための適切な処分を選ぶ手続であると説明しています。

さらに、18歳・19歳は「特定少年」として引き続き少年法の適用対象となりますが、検察官送致や刑事裁判において、17歳以下の少年とは異なる特例が定められています。

不同意性交等罪は、18歳・19歳の特定少年が犯した場合、原則として検察官送致の対象となります。

ただし、家庭裁判所が調査の結果、刑事処分以外の措置を相当と認めた場合には、少年院送致などの保護処分が選択されることもあります。

検察官へ送致されて起訴された場合には、原則として20歳以上と同様の刑事裁判を受けることになります。

なお、行為時に14歳未満であった場合には、刑法上処罰されることはなく、「触法少年」として、14歳以上の少年とは異なる手続がとられます。

 

6.少年事件による弁護士の役割

少年事件では、弁護士は警察・検察による捜査段階では弁護人として、家庭裁判所への送致後は付添人として活動します。裁判所によれば、少年および保護者は付添人を選任することができ、一定の場合には、裁判所によって弁護士である付添人が選任されることもあります。

弁護士の役割は、単に法的主張をするだけではありません。

本人から事情を丁寧に聞き取り、警察や家庭裁判所での対応を整理し、学校や家庭の状況を把握し、必要に応じて意見書や資料を準備し、保護者とともに今後の監督体制や再発防止策を整えていくことも重要です。

裁判所も、少年事件の付添人は、少年の正当な権利を守り、適正な審判や処遇決定のために活動すると説明しています。

とくに性犯罪の少年事件では、保護者が動揺してしまい、本人への聞き取りや被害者側への対応を独自に進めてしまうことがあります。

しかし、直接連絡や不用意な謝罪の申し出が、かえって問題を大きくすることもあります。

早い段階で弁護士に相談し、どこまで確認し、どのように対応すべきかを整理することが大切です。

 

7.不同意性交等罪における示談の重要性とは

不同意性交等の事件では、示談が重要な意味を持つことがあります。

もちろん、示談が成立すれば必ず事件が終わるとか、必ず処分が軽くなるといった単純なものではありません。

それでも、被害者への謝罪や被害回復の姿勢を示すことは、事件の経過や処遇判断において重要な事情になりえます。

少年事件では、行為時に14歳以上であった少年の事件は、事件は原則として家庭裁判所へ送致され、家庭裁判所が非行の内容や被害回復の状況、少年の反省、家庭環境、再発防止策などを踏まえて処分を判断します。

また、家庭裁判所から検察官へ逆送された場合には、刑事裁判に進む可能性があります。

家庭裁判所が処分を決める際にも、被害回復の有無、反省の程度、保護者の関与、今後の監督環境などが重視されます。

少年審判が再非行防止のための適切な処分選択を目的とする以上、被害者への対応や再発防止に向けた姿勢が重要になるのは自然です。

もっとも、不同意性交等の事件では、被害者の心身の負担が大きいことが多く、保護者や本人が直接被害者へ連絡するのは避けるべきです。

突然の連絡は、被害者にさらなる負担を与えたり、圧力と受け取られたりするおそれがあります。

示談の可能性を含めた被害者対応は、弁護士を通じて慎重に進めるのが望ましいでしょう。

 

8.未成年の子の不同意性交等についてお悩みの方は弁護士法人晴星法律事務所へご相談ください

未成年の子が不同意性交等の性犯罪を疑われた場合、保護者としては、今後の手続、学校への影響、被害者対応、将来への影響など、さまざまな不安を抱えることになります。

しかし、このような場面では、初動対応が非常に重要です。法改正後の不同意法改正後の不同意性交等罪は、処罰対象となる行為や年齢要件、同意に関する考え方が従来よりも明確化されており、少年事件でも事案によっては重い結果につながることがあります。

また、少年事件では、大人の刑事事件と異なり、家庭環境や再発防止の体制、保護者の関わり方なども重要なポイントになります。

だからこそ、本人の言い分だけで判断したり、保護者だけで対応しようとしたりせず、できるだけ早く少年事件に対応できる弁護士へ相談することが大切です。

弁護士法人晴星法律事務所では、少年事件・性犯罪事件について、事情の整理、今後の見通しのご説明、被害者対応に関する助言、家庭裁判所対応など、状況に応じたサポートを行っています。

未成年の子の不同意性交等についてお悩みの方は、弁護士法人晴星法律事務所へお早めにご相談ください。

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