家族が逮捕された

自身の身内や配偶者、子どもなどの家族が逮捕されたと警察から連絡があった際、誰もが心配になり、今後どうなってしまうのか、自分はどうすればいいのかと不安になってしまうと思います。

しかし、早期に対応することにより、その後に不起訴処分となったり、起訴されるとしても略式起訴にとどまる場合もあります。

このような処分を獲得するためには、ご家族の方が一丸となって、逮捕された家族を支えることが重要なのです。

ご家族が逮捕された場合、以下の事柄を理解することが重要です

①刑事手続の流れを理解する

②面会・差入れの時期・方法

③事実の把握

④弁護士に相談

①刑事手続の流れ

逮捕された場合、警察は48時間以内に、事件を検察官に送致し、検察官は送致から24時間以内に、そのまま勾留するかどうかを決定します。

勾留決定となる場合、原則10日間拘束され、場合によっては、さらに10日間勾留期間が延長されることがあります。

このため、逮捕された場合には、最大23日間にわたって身体拘束をされる可能性があります。

勾留期間が終了すると、検察は、被疑者に対して、不起訴、略式起訴、正式起訴のいずれかの処分を行います。

不起訴とは、刑事裁判を行わずに釈放することです。

略式起訴とは、簡易裁判所管轄に属する事件であって、100万円以下の罰金または科料に相当する事件の場合に、刑事裁判を行わずに罰金ないし科料を言い渡す処分です。

略式起訴の場合、即日釈放されますが、有罪であることに代わりはないため、前科がつくこととなります。

正式起訴では、正式に刑事裁判が開かれることとなります。この場合は、引き続き身体拘束が継続されるのが一般的です。

②面会・差入れの時期・方法

弁護士以外の人物が逮捕された人物と面会することを一般面会と言います。

被疑者の家族が面会をする場合も、この一般面会に該当します。

そして、被疑者の家族は、被疑者が勾留されるまでの最大72時間は、一般面会ができません。

これは、被疑者段階では、弁護人との接見について規定した刑事訴訟法39条1項しかなく、一般面会に関する規定が存在しないからです。

このため、被疑者が勾留されるまでは一般面会は行えません。

被疑者が勾留されると一般面会が行えるようになりますが、一般面会には、弁護人の接見とは異なり面会日や面会時間などに制約があります。

また、面会中でも警察官の立会がつきますし、差入れについても制限があります。

さらに、接見禁止などの処置が執られている場合、弁護人以外との面会はできません。

例えば、広島中央警察署であれば、以下のとおりです

・面会日

平日午前10時から午前11時20分まで、午後1時から午後4時20分まで

※土日祝日、振替休日、12月29日から1月3日までの期間を除く月曜から金曜日までの平日

※月曜日と木曜日の午前中は面会ができません

・面会時間

15分以内

・面会回数・人数

一日一回、1組3人まで

・面会方法

予約不可のため来署した順の受付となります

・差入可能日

平日午前10時から午前11時20分まで、午後1時から午後4時20分まで

※土日祝日、振替休日、12月29日から1月3日までの期間を除く

・差入れに際しての必要物

身分証明書

・差入方法

留置されている方1名につき、1日2回まで。

1回あたり着替え3日分、現金3万円、書籍3冊、日用品若干(シェーバーは、充電式で替え刃が振動式のみ可)

※衣類について

Tシャツなど肌着、下着、靴下(くるぶし丈)が可能

フード付きの衣類、紐付きのズボン、破れのある衣類については不可

※書籍について

ホッチキスなどの金具、付録付きの雑誌は不可

※郵送での差入れについて

原則不可

③事実の把握

逮捕されたご家族を助けるためには、なぜ、ご家族が逮捕されたのか、その理由を把握することが不可欠です。

被疑事実が分かれば、被害者の有無などが判明しますし、法定刑から、略式起訴の可能性があるかなどの予想が立つこともあるからです。

また、被疑事実を把握することで、仮に刑事裁判となった場合の弁護方針を確立していくことも出来ます。

これらの被疑事実を把握することにより、被害者がいる事件では被害者との示談準備をしておいたり、薬物事件などでは、家族のサポートのもと薬物依存症の治療を継続的に受けることが可能な環境作りを始めておくなど、刑事裁判に向けた事前準備をしておくことが可能となるのです。

④弁護士に相談する

一般面会を通したサポートや、被疑事実を把握しての環境整備など、逮捕された方のために、家族が出来ることは多々あります。

しかし、例えば一般面会における制約や、逮捕段階での面会不能など、弁護士ではないがために出来ないことも多いです。

また、仮に、被害者と示談をするとしても、直接交渉はトラブルの元になりかねません。

そのため、ご家族が逮捕された直後より弁護士に相談することが非常に重要です。

弁護士であれば、逮捕直後より、警察官の立会なく、被疑者と会うことが可能ですし、その場でご家族の様子を伝えたりすることもできますし、家族に向けた伝言を預かることも出来ます。

そのうえで、勾留阻止に向けた弁護活動を開始するとともに、仮に、勾留されるとしても、身元引受人の準備などを通じて、勾留の理由や必要性が失われたことを裁判所に主張していくことで、身体拘束からの早期解放に向けた弁護活動を行っていくのです。

また同時に、不起訴処分獲得に向けた弁護活動や、起訴された場合に備えた弁護活動も並行して行います。

起訴された場合でも、執行猶予や刑の減軽を獲得するためには、適切な弁護活動が重要です。

このように、不必要に重い処分を受けないためにも、逮捕直後から弁護士に相談することで、適切な弁護活動を受けることが重要なのです。

さいごに

刑事事件は、外部に相談しづらいことが多く、また捜査機関や裁判所を相手にする必要があるという点で、非常に専門的な領域です。

そのため、悩まれた際は、一度、弁護士に相談することをお勧めします。

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